一般質問報告1「創造都市浜松の考え方~はまホール・ソフト面でのコラボ」

一般質問報告1「創造都市浜松の考え方~はまホール・ソフト面でのコラボ」


去る6月5日(月)に本会議にて一般質問をしました。

今回は色々重なり、前日の朝4時迄口実原稿を練り直すなど、これまで最も悪戦苦闘した一般質問でした。
一般質問をするにあたり当局に対し「こういうことを聞きます」と通告をするのですが、その当局との調整の中で意見の相違からかなり厳しいことも言わせていただきました。
しかし議員が先進的な考え方を持たず、常に保守的であるとするならば、何も進展がありません。
ただ行政も議会もともに市政の前進を願っているということでは同じです。
途中アドリブもありましたので、本会議で話した内容とは若干違う部分もありますが、恒例のごとく一般質問の内容をここに掲載したいと思います。
第一問目は創造都市における浜松市の考え方、はまホールの後継施設、ソフト面でのコラボを関連付けて質問しました。
この質問による回答で、何かが見えてきたような感じがします。
長いですが、「はまホール」に関心がある方は是非最後までお読みください。
それではどうぞ!

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突然ですが、みなさん、直木賞、本屋大賞W受賞の「蜜蜂と遠雷」をお読みになりましたでしょうか?著者の恩田陸さんは、構想から12年、取材11年、執筆7年をかけ、渾身の作品を書きあげました。2段組約500ページからなる長編小説であります。
3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
・・・と、本の帯封にはこのように説明書きが紹介されています。
まさに、この小説の舞台である、芳ヶ江国際ピアノコンクールは、本市で開催される浜松国際ピアノコンクールがモデルになっているのであります。小説は文学的な文字の羅列であるにもかかわらず、この「蜜蜂と遠雷」は、書籍そのものから張りつめた会場の空気とコンテスタントの緊張感が読み手に乗り移り、まるでホールにいるかのような錯覚に陥ります。
私は、途中から、小説内で登場人物が弾くピアノコンチェルトをBGMにかけながら夢中で読みふけりました。
浜松市内に実際にある風景も、時折描写されており、ドラマ化・映画化されるのではないかと期待されているところです。
そんな前ふりから、第一問目の質問「市民文化創造拠点施設の整備について」の質問に入ります。

平成26年12月、本市はユネスコ創造都市ネットワーク(音楽分野)への加盟により、これまでの実績、音楽資源を評価されました。その一方で、今後も創造ポテンシャルを高め、世界の音楽文化をけん引するリーダーシップを要求されています。
加盟承認においては、浜松国際ピアノコンクールや世界青少年音楽祭等の国際的催し物の開催だけにとどまらず、この地に脈々と続く伝統芸能や文化のルーツを評価されたものだと理解しています。

わが会派は平成26年にイタリアボローニアに視察に行き、市長の親書を携え両市の架け橋を作ってまいりました。ボローニャは250年の歴史を誇るボローニャ歌劇場や、ロッシーニ、モーツァルトにもゆかりのある音楽院や音楽博物館などがある魅力あふれる街です。
ボローニャは宗教を中心とした音楽や建築の上に都市が成り立っておりますので、本市とは音楽の歴史は違うかもしれません。しかし、浜松には独自の文化・伝統・芸能という魅力であることを忘れてはなりません。
今、創造都市の主役であるはずの市民が活躍するホームグラウンド「はまホール」は閉館となり、音楽関係者・教育界からは一刻も早い再建が望まれています。そこで以下4点伺います。

1つ目として、ユネスコ創造都市ネットワーク加盟以後、本市は世界音楽の祭典in浜松2016等の大規模なイベントを開催するなど世界各国から注目を浴び、音楽分野におけるリーダーとしての役割を期待されていますが、音楽都市浜松が目指すべき創造都市の姿を伺います。

2つ目として、音楽創造都市「浜松市」の担うべき役割を鑑み、歴史と文化のルーツに根差した市民文化創造拠点整備をすべきと考えますが、その考え方について伺います。

3つ目として、音楽ホールのみならず、様々な創作活動が可能な多機能スペースや工房・スタジオ機能、他の芸術も鑑賞できる回廊、さらには市民の文化活動の交流を促進するソフト施策(しさく)を伴う拠点として整備すべきと考えますがその考えを伺います。

4つ目として、昨年、世界音楽の祭典in浜松2016が開催され、異なる国の異なる音楽のコラボレーションは大好評でありました。また、サウンドデザインシンポジウムin浜松2016では、メディアアートなど他の芸術分野や医療・福祉を初めとした他分野での音の活用事例などが発表されました。
音楽創造都市として「音に包まれた市民生活」を世界に発信していくためには、日常の中に音楽が常に同居していることが大事です。ミスマッチが面白いと思わせる空間でのコラボレーション、例えば、本会議場や区役所などの公共建築、もしくは寺社・仏閣、工場等でのコンサートを支援すべきと考えますがその見解を伺います。

(市長答弁)
1点目のユネスコ創造都市浜松市の目指す都市像についてお答えします。
本市では総合計画に掲げる都市の将来像「市民協働で築く『未来へかがやく創造都市・浜松』」の実現に向けて、平成25年3月に「『創造都市・浜松』推進のための基本方針」を策定しました。
ユネスコ創造都市ネットワークへの加盟を契機に、音楽分野の創造都市としてフォーラムや世界音楽の祭典など、加盟都市との相互連携による取り組みを進めてまいりました。
さらに、楽器産業の集積する本市の特性を活かし、音のもつ可能性に着目した新たな取り組みとして、サウンドデザインフェスティバルin浜松2017を本年12月に開催します。
本市と同じく、ユネスコ創造都市ネットワーク音楽分野に加盟するイタリアのボローニャ市、ドイツのハノーバー市でも、音楽だけでなく、産業や歴史を地域資源と捉え、幅広い取り組みを進めています。
本市においても、音楽のみならず産業・歴史などの地域資源を活かし、市民の創造的な活動が活発に生まれる都市を目指してまいります。

(以下、寺田文化振興担当部長答弁)
2つ目の歴史的・文化的なまちづくりと一体になった施設整備についてお答えします。
はまホールに代わる新たな施設につきましては、「『創造都市・浜松』推進のための基本方針」の方向性を踏まえた市民文化創造拠点として位置付け、現在基本構想の作成を進めております。
基本方針では、音楽、ものづくりのほか、歴史・伝統文化も大変魅力ある地域資源の一つとして捉え、活用していくこととしています。
脈々と受け継がれてきた、伝統と文化を改めて見直し、その土台の上に市民が新たな創造を築いていくことは、構想を検討する上で重要なポイントであると考えております。
また、ホールなどの文化施設の存在は、まちづくりにおいても大きな役割を果たします。
施設と周辺環境双方の魅力が高まるよう、歴史や文化など、施設周辺のポテンシャルを最大限に生かすことのできる構想としていきます。

3点目の施設の複合化・多機能化についてにお答えします。
施設の複合化・多機能化は、施設の魅力を高め、集客力の強化とともに利用者の満足度の向上、更には新たな需要の創出のために必要な手法になります。
市民文化創造拠点施設の整備においては、発表の場としての音楽ホールに加え、市民が多様な地域資源の魅力に気づき、刺激を受け、新たな創造が誘発されるような場を創出したいと考えております。
そのためには、創造的活動を支援する制度や、人と人、活動と活動をつなぐコーディネート機能などが重要になります。こうしたソフト施策については、施設整備を具体的に進め、実施体制を固めていく中で、施設を最大限に活用できる手法を考えてまいります。
4点目の公共建築物・寺社等での音楽コンサートについてお答えします。
欧州では、美術館や博物館などにおいてコンサートや上映会、国際会議などを開き、地域の特性を演出する、「ユニークベニュー」という考え方が浸透しています。
「『創造都市・浜松』推進のための基本方針」においても、歴史の面影を残す建物や史跡が活用され、地域活性化に結びついている状態を、具体的な創造都市のイメージとして例示しております。
市民が主体的に取り組む事例としては、自らの施設を演奏ステージとして開放している民間事業者を紹介する「はままつOKステージ」や、神社や寺社を、人と人をつなげるコミュニィティの場と捉えた「神社・寺社カフェ」などがあります。
日常空間を、文化芸術を活用して魅力的な空間に変えていく取り組みは、市民の暮らしに刺激を与え、創造性を喚起するものと考えられます。本市としても、市民が新たな発想で取り組む企画が更に広がるよう、みんなのはままつ創造プロジェクトなどを活用し、創造的な活動を支援してまいります。

この質問についての意見要望を申し述べます。
議員になって今回が6回目の質問ですが、そのうち「はまホール」の質問は4回しつこくし続けました。今日は、なんだか、ワクワクした気持ちで答弁をお聞きし、ユネスコ創造都市浜松としての熱い心意気を感じたように思います。多くの学生、音楽愛好家は新生ホールの誕生を首を長くして待ちわびているわけですが、格調高いものを作っていくという確固たる信念があれば市民も納得すると確信しています。
わたしは新生ホール単体で構想を立てるのではなく、音楽ホールを中心とする文化芸術ゾーン、つまり面で捉えるべきであり、周辺の整備や文化ゾーンへのアクセス道も含め、トータルコーディネートをすべきと考えます。
また、ソフト面に関していえば、京都や奈良では日本建築と洋楽とのコラボレーションは当たり前のように開催されています。
わたしは毎年ボストンから本市に訪れる有名なジャズトランぺッタータイガー大越さんと面識があるのですが、大河ドラマとタイガー大越、もしくは直虎とタイガー大越つながりで、私の菩提寺龍潭寺でジャズライブをやりませんかと宴席で話をしたところ、「It’s a good idea!」と談笑したところでございます。
この他、一笑に付されるかもしれませんが、休日に本議場を開放して市民コンサートを行い、その後日曜議会を開催すれば、より市議会が身近なものになると考えます。わたしは「ユネスコ創造都市の浜松だからこそ全国に先駆け休日開放し、皆の模範となろう」と意気込んでいましたが、とんでもない、ネット検索したところ、本会議前コンサートは35市までは数えましたが、それ以上は数えるのが嫌になるほどヒットしました。
また、新座市議会においては、わたしが頭に描いている休日のコンサート・本会議同時開催を2015年からスタートしているようです。完全にやられました。これはまた別の席で提案していきたいと思います。

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