一昨年の夏、NHK大河ドラマがわたしのふるさと井伊谷を舞台にした「おんな城主　直虎」に決定したのを受け、地元ではこの話題で持ちきりになりました。

実は我が家は龍潭寺の檀家でして、母は婦人部長までつとめるという関わりの深さ。

そういえば小学校のみこし祭りで、井戸の傍らで拾われた井伊の祖「井伊共保」を演じた記憶もあるような、そんな遙か昔のことも思い出しました。

井伊谷の敬老会に足を運んだとき、「議員としても活躍して欲しいけど、神間君、音楽得意だらぁ！直虎の曲って作ることできんだかやぁ？」

そんな一言がきっかけに、このプロジェクトが始まったのでした。

構想から製作のこの間、このブログは冬眠中でしたので、その経過を改めてここに書いてみたいと思います。


浜松市には「みんなの浜松創造プロジェクト」という応援制度があるのですが、早速これに申し込んだのでした。
ただ、気がついたときは締め切り日寸前。

急いで賛同してくださる方を集め、規約を作って組織を立ち上げ、ぎりぎり申請期限に間に合いました。


まずはイメージ作りから。

「いいっ！直虎」はよさこいで踊れるようなテンポ感のある曲調で、この曲を聴けば直虎の大まかが分かるようにしました。

こだわりは私らしく、これでもかこれどもかとホーンセクションばりばり！

また、この地域、盆お踊りといえば「炭坑節」「東京音頭」ばかりで、なんとも地域色が無いとずっと思っていました。

そういえば、盆踊りって、くるくる回っているうちに、いつの間にか歌詞や踊り方をを覚えてしまうんですね。

「♪掘って～掘ってまた掘って～、担いで担いであと下がり」

「大河ドラマの放映が終わったあとは何も残るものがない」と言われるのでは寂しいので、音頭を作ることによって直虎の足跡を残したいと思いました。
そんなことから、当初は予定に無かったのですが、急遽「直虎音頭」を作ることになりました。

引佐のみなさんに喜んでいただいている「直虎音頭」は実のところ副産物なんです。


これで、大河ドラマの放映が終わっても、夏祭り、秋祭りのたびに、「直虎音頭」を踊れば思い出していただけるのではないでしょうか。
もしかしたら私よりも「直虎音頭」は長く生き続けるのかもしれません。

この直虎音頭は地元の踊りの先生が振り付けをし、これまた地元のビデオ愛好家の方が撮影してYouTubeにアップしてくれました。
地域の皆さんの力、フル活用ですね。


作詞にあたり、引佐の皆さんに、直虎をイメージする「キーワード」を出して貰おうと呼びかけましたが、これがなかなか集まらず大苦戦。
それでも、お一人の方が「橘」を提案してくれましたのでこれを採用。

よって、作詞者は、わたし「一の沢智之進」ではなく、みんなを示す「井の民」となりました。

作曲は私の作ったフレーズを、友人であり現在はプロのトロンボーン奏者・アレンジャーとして東京で活躍している藤下君が補作し完成。

「いいっ！直虎」をテンポとアレンジを変えたのが「直虎音頭」です。

また、吹奏楽が盛んな浜松市では吹奏楽バージョンに編曲したらきっと多くの方が聴いてくれるに違いないと思い、譜面を市の吹奏楽連盟を通じて配布。

素晴らしい演奏で定評がある浜松商業高校吹奏楽部が定期演奏会で取り上げてくれたことで、人気が出て様々な団体が演奏してくれています。


また浜松市消防音楽隊も市内各地で演奏してくれており、春には大阪でも披露してくれたようです。


（8分ぐらいから）

そのほか、市内のよさこいチームの積極的にとりあげてくれて確実に広まってきています。
感謝感謝！






「いいっ！直虎」「直虎音頭」は振り付けレッスンビデオがYoutubeで公開されていますので、踊りたい方は是非こちらを見て練習して下さい。

「いいっ！直虎」


「直虎音頭」


現在、大河ドラマ館の隣の「直虎SHOP」や出世の館ではBGMでかかっていたり、舘山寺から大河ドラマ館行きのバスや船着き場でも聴くことが出来ます。

また、北区役所では昼休みに、市役所では直虎関連の曲3曲をローテーションで昼休みに流してくれています。
小学校でも昼休みに流してくれているところがあり、こどもたちはすっかり覚えてしまったとある保護者から聞きました。

このほか、中学生の創作ダンスの授業でテーマ曲として取り上げて下さり、各チーム個性あふれる踊りを引佐の直虎祭りでは披露してくれました。

それから地元の合唱団が歌ってくれています。
これもなかなかいい感じですよ。




最後に・・
この作品を仕上げるまでの、私のもうひとつのこだわりを紹介します。

それは、大変図々しいお願いでありましたが、どんな小さな縁でも頼ってこの企画にご協力いただくことでした。

その結果、

・冒頭の部分に龍潭寺の武藤宗甫住職本人による読経を録音し

・口上は浜松やらまいか大使講談師の田辺一邑さん

・ジャケットの題字は書道界のプリンス　浜松出身の新進気鋭の書家中澤希水さん

・直虎のイラストは日展画家で創元展文部大臣奨励賞を受賞された浜松の画家服部譲司先生

その他、語りは地元の劇団の方にもご協力いただきオール浜松で仕上げた作品になりました。

もちろん、曲の一番最初に鳴る鐘の音は龍潭寺の鐘を生録してきました。


まだ、少々CDが余っていますのでこの曲で地域興しをしてくれる方、直虎を応援して下さる方には差し上げます。
（吹奏楽用、ブラスロック用の譜面も差し上げます）