今週、月曜日火曜日とさいたま市で開催された政令指定都市議連会議に合わせ、本会派では2つの行政視察に行ってきました。
このように視察に出掛けると必ず視察レポートを書くことが義務付けられております。
ただ、せっかく書いてもあまり見ていただく機会が無いので私はこのブログにも転記することにしています。(このブログはfacebookにもリンクしていますのでこちらの方でもご覧ください)
順序は逆になりますが、先に2日目火曜日の練馬区立こどもの森についての視察報告書が出来上がりましたので、どうぞお読みください。
◆11月17日(火)
東京都練馬区役所・練馬区立こどもの森
◎調査事項練馬区立こどもの森について

(目 的)
近年、自然豊かな本市であってもこどもの「遊び方」が変化してきており、嘗て私たちが幼少時代経験したような泥にまみれる遊びが出来なくなってきている。テレビゲームに代表されるようなインドアの遊びが主になる一方で、子育て世代が「危ないから」「汚れるから」を理由にこどもたちをかような遊びから遠ざけてしまっている感も否めず、責任を感じるところでもある。
そんな折、練馬区では都市計画緑地の一角に0.3hのこども向け公園を開演し人気を博していると耳にした。練馬区は都内23区でも緑被率が高く緑の豊かさと都市生活の利便性が両立している。
自然が豊富な本市であるが、この試みに挑戦しようとするならば「場所がありそうでない」もしくは「同じ試みをやれそうでやれない」ように思う。
練馬区の取り組みに対して学びを深め、本市のこども育成に寄与したいと考えこのテーマを選定した。
(内 容)
平成27年4月1日オープンした練馬区立みどりの森は練馬区の東端、板橋区との境界付近に立地する。平成21年の都市計画決定後、都市開発公社により用地が先行取得され、その後23~25年度において開催された体験イベントを通じて区民の意見を聴取する中で、基本設計・実施設計を進めてきた。公社用地を買い戻し、26年度に整備工事、これまで体験イベントの参加者数は約3500人にのぼるという。
この公園には、平日は70人、休日は250人ほどが集まるというが今年のゴールデンウィークには一日で1000人オーバーの来場者を記録した。
事業費としては設計委託料を含む用地取得費が約13億円、施設工事費が1億円となっており合計で約14億円が投入されている。
現地運営についてはプロポーザルによって決定され、現在UDS㈱、NPO法人あそびっこネットワーク、㈱ミツヤ建設造園によるJVが企画・運営・施設管理にあたっている。(平成27年度運営業務委託契約額25,920,000円)

こどもの森の毎日は、隠れ家づくり、泥んこあそび、クギさし、穴掘り、昆虫採集など多岐にわたっており、緑の中で自然体験や冒険遊びをすることによって幼少期の情操教育が可能になるとともに環境意識を高めることにも寄与している。こどもの森通信「こどもりもり」によれば、心がドキドキワクワクすることを「冒険」と定義しており、これらの時間を忘れて夢中になるここでの遊びは全て冒険であるとしている。
冒険にはリスクがつきもの、しかしこの「リスク」は生きる力を育むために必要な危なっかしさで、自身の力で対処しきれず大きな怪我につながる「ハザード」ではないという。冒険を重ね、危ないか危なくないかを子ども自身が判断する力を育み、それが生きる力の礎となるという考え方だ。
常時プレーリーダーと呼ばれる指導員が常駐しているが、来場者数が増える休日には増員することで対応している。ただ、前述のようにここは冒険の場であり、リスクはつきものだという考えゆえ、あくまでも怪我は自己責任としている。これまでに骨折の事故が3件あったが、逆に保護者がこの事故による影響により園が存続できなくなるのを心配したという。
視察に訪れたこの日はちょうどキウィ収穫を行っており、多くのこどもと保護者の姿が園内に見受けられた。驚いたのはこどもと一緒に保護者がスコップで穴掘りをしている姿であり、その穴も埋め戻しをされることもなくありのままの形でこどもの遊び場となるのだそうである。
そのほか、月1回必ずイベントが開催されており「青空紙しばい」「たき火」「クリスマス飾りづくり」「トン汁」「クギさし大会」「ベーゴマ大会」など遊びのプロフェッショナルであるプレーリーダーの企画力に感心した。事前の調査によれば企画を担当する㈱UDSはキッザニアを運営する企業であるということなのでそれも頷ける。
(隠れ家づくり)
(所 感)
乳幼児向けの通信紙「ちびもり」Vol.3には「ペイ・フォワードしあわせ送り」という「ちーさん」という方がお書きになったコラムが掲載されている。視察レポートして転載は文字数稼ぎのようでありいささか恐縮するのだが、まさしく「その通り!」と共感するものであるので承知の上、転記させていただく。
「ペイ・フォワードしあわせ送り」
わたしはひとり、手は2本。それなのに。上の子がおべんとをひっくり返し、下の子はおもらしをする。帰り支度をして振り向くと、水たまりにダイブしている。自転車に眠るふたりの子。帰り道に買い物するのは諦める。ひとりぼっちの子育て。
だけど時々、思いがけず人の親切に触れて、何度も救われてきました。
ペイ・フォワードという言葉があるそうです。自分が受けた親切を、今度はほかの人に渡していくこと。しあわせを次に送ること。
困っているときに「どうしたの?」って声をかけられたら、次は自分が同じことを誰かに出来る。「いいよ、手伝うよ!」って助けられたら、やがて余裕ができたときに、今度は自分がそう言える。
こどもの森で出会った子育て中の人たちが、そんな小さな親切を順繰りに送っていけたら最高だなーと思います。
ご近所付き合いや地域連携が薄くなっている東京において、ここに集う子育て世代のお母さん方は実に上手く子育てを楽しんでいる感が見受けられた。開園したばかりのこの「こどもの森」で子育てをしたお母さんたちが、「ちーさん」のコラムのようにペイ・フォワードを知り恩を次世代に順送りしていくことができたのならこの森の存在はこどもだけではなく子育て世代の保護者にとっても大きな収穫になるであろうし、また地域にとっても貴重な人財になりうる。
遥か昔から土は人にとってごく身近なもの。汚さず土遊びをすることは難しいことだけれども、泥まみれになって楽しく遊んでいるこどもの姿を見守る親御さんの姿が実にほほえましく見えたのは私だけではなかろう。
このように視察に出掛けると必ず視察レポートを書くことが義務付けられております。
ただ、せっかく書いてもあまり見ていただく機会が無いので私はこのブログにも転記することにしています。(このブログはfacebookにもリンクしていますのでこちらの方でもご覧ください)
順序は逆になりますが、先に2日目火曜日の練馬区立こどもの森についての視察報告書が出来上がりましたので、どうぞお読みください。
◆11月17日(火)
東京都練馬区役所・練馬区立こどもの森
◎調査事項練馬区立こどもの森について

(目 的)
近年、自然豊かな本市であってもこどもの「遊び方」が変化してきており、嘗て私たちが幼少時代経験したような泥にまみれる遊びが出来なくなってきている。テレビゲームに代表されるようなインドアの遊びが主になる一方で、子育て世代が「危ないから」「汚れるから」を理由にこどもたちをかような遊びから遠ざけてしまっている感も否めず、責任を感じるところでもある。
そんな折、練馬区では都市計画緑地の一角に0.3hのこども向け公園を開演し人気を博していると耳にした。練馬区は都内23区でも緑被率が高く緑の豊かさと都市生活の利便性が両立している。
自然が豊富な本市であるが、この試みに挑戦しようとするならば「場所がありそうでない」もしくは「同じ試みをやれそうでやれない」ように思う。
練馬区の取り組みに対して学びを深め、本市のこども育成に寄与したいと考えこのテーマを選定した。
(内 容)
平成27年4月1日オープンした練馬区立みどりの森は練馬区の東端、板橋区との境界付近に立地する。平成21年の都市計画決定後、都市開発公社により用地が先行取得され、その後23~25年度において開催された体験イベントを通じて区民の意見を聴取する中で、基本設計・実施設計を進めてきた。公社用地を買い戻し、26年度に整備工事、これまで体験イベントの参加者数は約3500人にのぼるという。
この公園には、平日は70人、休日は250人ほどが集まるというが今年のゴールデンウィークには一日で1000人オーバーの来場者を記録した。
事業費としては設計委託料を含む用地取得費が約13億円、施設工事費が1億円となっており合計で約14億円が投入されている。
現地運営についてはプロポーザルによって決定され、現在UDS㈱、NPO法人あそびっこネットワーク、㈱ミツヤ建設造園によるJVが企画・運営・施設管理にあたっている。(平成27年度運営業務委託契約額25,920,000円)

こどもの森の毎日は、隠れ家づくり、泥んこあそび、クギさし、穴掘り、昆虫採集など多岐にわたっており、緑の中で自然体験や冒険遊びをすることによって幼少期の情操教育が可能になるとともに環境意識を高めることにも寄与している。こどもの森通信「こどもりもり」によれば、心がドキドキワクワクすることを「冒険」と定義しており、これらの時間を忘れて夢中になるここでの遊びは全て冒険であるとしている。
冒険にはリスクがつきもの、しかしこの「リスク」は生きる力を育むために必要な危なっかしさで、自身の力で対処しきれず大きな怪我につながる「ハザード」ではないという。冒険を重ね、危ないか危なくないかを子ども自身が判断する力を育み、それが生きる力の礎となるという考え方だ。
常時プレーリーダーと呼ばれる指導員が常駐しているが、来場者数が増える休日には増員することで対応している。ただ、前述のようにここは冒険の場であり、リスクはつきものだという考えゆえ、あくまでも怪我は自己責任としている。これまでに骨折の事故が3件あったが、逆に保護者がこの事故による影響により園が存続できなくなるのを心配したという。
視察に訪れたこの日はちょうどキウィ収穫を行っており、多くのこどもと保護者の姿が園内に見受けられた。驚いたのはこどもと一緒に保護者がスコップで穴掘りをしている姿であり、その穴も埋め戻しをされることもなくありのままの形でこどもの遊び場となるのだそうである。

そのほか、月1回必ずイベントが開催されており「青空紙しばい」「たき火」「クリスマス飾りづくり」「トン汁」「クギさし大会」「ベーゴマ大会」など遊びのプロフェッショナルであるプレーリーダーの企画力に感心した。事前の調査によれば企画を担当する㈱UDSはキッザニアを運営する企業であるということなのでそれも頷ける。

(隠れ家づくり)
(所 感)
乳幼児向けの通信紙「ちびもり」Vol.3には「ペイ・フォワードしあわせ送り」という「ちーさん」という方がお書きになったコラムが掲載されている。視察レポートして転載は文字数稼ぎのようでありいささか恐縮するのだが、まさしく「その通り!」と共感するものであるので承知の上、転記させていただく。
「ペイ・フォワードしあわせ送り」
わたしはひとり、手は2本。それなのに。上の子がおべんとをひっくり返し、下の子はおもらしをする。帰り支度をして振り向くと、水たまりにダイブしている。自転車に眠るふたりの子。帰り道に買い物するのは諦める。ひとりぼっちの子育て。
だけど時々、思いがけず人の親切に触れて、何度も救われてきました。
ペイ・フォワードという言葉があるそうです。自分が受けた親切を、今度はほかの人に渡していくこと。しあわせを次に送ること。
困っているときに「どうしたの?」って声をかけられたら、次は自分が同じことを誰かに出来る。「いいよ、手伝うよ!」って助けられたら、やがて余裕ができたときに、今度は自分がそう言える。
こどもの森で出会った子育て中の人たちが、そんな小さな親切を順繰りに送っていけたら最高だなーと思います。
ご近所付き合いや地域連携が薄くなっている東京において、ここに集う子育て世代のお母さん方は実に上手く子育てを楽しんでいる感が見受けられた。開園したばかりのこの「こどもの森」で子育てをしたお母さんたちが、「ちーさん」のコラムのようにペイ・フォワードを知り恩を次世代に順送りしていくことができたのならこの森の存在はこどもだけではなく子育て世代の保護者にとっても大きな収穫になるであろうし、また地域にとっても貴重な人財になりうる。
遥か昔から土は人にとってごく身近なもの。汚さず土遊びをすることは難しいことだけれども、泥まみれになって楽しく遊んでいるこどもの姿を見守る親御さんの姿が実にほほえましく見えたのは私だけではなかろう。

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